
LINEの乗っ取り対策|「投票お願い」から始まる被害と,今日できる設定
「投票をお願い」というメッセージから,LINEを乗っ取られる被害が公的機関に報告されています。IPAの相談事例とLINE公式の注意喚起をもとに,手口の流れと,ログイン許可・Face ID・パスコードロックなど今日できる設定をまとめました。
🛡️この記事のポイント
- 1「投票をお願い」のDMから偽のLINEログイン画面に誘導され,乗っ取られる被害が報告されている
- 2乗っ取られると,家族や友人にPayPay送金を求めるメッセージが送られることがある
- 3「認証番号を教えて」は,友だちから来ても詐欺と考える。今日できるのは,ログイン許可・Face ID・パスコードロックの確認
LINEの乗っ取りは,「投票をお願い」「認証番号を教えて」のような,知り合いからの頼みごとの形で始まります。今日できるのは,①ログイン中の端末の確認 ②「ログイン許可」の確認 ③Face IDなどの本人確認の設定です。すべて一度にする必要はありません。できるところから始めましょう。
前回のフィッシング対策の記事を書いたあと,「自分が毎日使っているLINEは大丈夫だろうか」と気になって,設定を見直してみました。この記事では,実際に報告されている被害の流れと,LINEの画面で今日できる設定を,順番に整理します。
LINE乗っ取りの手口|「投票をお願い」から始まる
情報処理推進機構(IPA)の安心相談窓口には,2026年4〜6月の相談として,次のような内容が寄せられています。
- Instagramに「友達の息子の絵画コンテストに投票してくれる?」というDMが届いた。返信すると,URLが送られてきて,「LINE認証投票」という画面に誘導された
- 友人のFacebookから,展覧会への投票を頼まれた。投票したところ,LINEのアカウントが乗っ取られた
- 乗っ取られたLINEから,友人や家族に「PayPayで送金をしてください」というメッセージが届いているようだ
LINEの公式ヘルプ(2026年5月20日更新)にも,投票ページを装った偽のLINEログイン画面から乗っ取られ,家族や知人になりすましてPayPayでの送金を求められる被害についての注意喚起があります。
ここで大切なのは,入り口が「知らない人」ではなく,「知っている人からの頼みごと」に見える点です。友人のアカウント自体が乗っ取られていて,そこから連絡が来ることもあります。なお,公開されている資料からは,送金が実際に行われたかどうかまでは確認できませんでした。
- 「認証番号を教えて」(LINEの認証番号を使うのは,自分で引き継ぎをするときと,メールアドレス・電話番号を変更するときだけです)
- 「このリンクからログインして」「投票して」
- 「PayPayで送金して」(突然の送金依頼は,電話や対面など,LINE以外の方法で本人に確かめる)
今日できる設定|LINEの画面で確認する順番
以下は,筆者のiPhoneでの手順です。画面の名称は,バージョンによって変わることがあります。
基本の場所は,LINEの「ホーム」→ 右上の設定(歯車)→「アカウント」です。
1. 「他の端末と連携」で,ログイン中の端末を確認する
自分が使っていない端末が並んでいないかを見ます。筆者の場合は,連携している端末はなく,このiPhoneだけでした。身に覚えのない端末があれば,その場でログアウトします。
2. 「Face ID」を連携する
機種変更などでアカウントを引き継ぐときに,顔で本人確認をする設定です。パスワードや認証番号だけで,他人が引き継ぎを進めにくくなります(パスキーと同じ考え方です)。筆者はこの設定がすでに済んでいました。
3. 「ログイン許可」をオフにする(いちばん効く設定)
「ログイン許可」は,パソコン版・iPad版のLINEからのログインを許すかどうかを決める設定です。オフにすると,正しいメールアドレスとパスワードを入力されても,パソコン版・iPad版にはログインできません。LINE公式のヘルプにも,この仕組みが載っています。
- パソコンやiPadでLINEを使わない人は,オフのままにしておくのが安心です
- 使う人は,使うときだけオンにして,終わったらオフに戻す
4. パスワードを,LINE専用のものにする
ほかのサービスと同じパスワードなら,LINE専用に変えます。覚えきれないときは,パスワード管理アプリに任せます(1Passwordの記事で詳しく書いています)。
5. 「プライバシー管理」で,パスコードロックと友だち追加を見直す
- 「プライバシー管理」→「パスコードロック」をオンにする(LINEを開くときに,数字を求められるようになります)
- 「友だち」の設定で,「友だちへの追加を許可」をオフにする(知らない人から友だち追加されにくくなります。必要なときだけオンにします)
- きっかけは,パスワード管理やパスキーを取り上げたライブ配信を見たこと。配信の中心はLINEではなく,「それなら毎日使うLINEも」と,自分で点検を広げました
- 連携している端末は,このiPhoneだけでした
- Face IDの連携は,すでに済んでいました
もし乗っ取られてしまったら
「アカウントからログアウトされました」という画面が出たときは,第三者に言われるまま「削除」をタップしないでください。端末に保存されているLINEのデータがすべて消えるおそれがあります。LINE公式は,この画面では必ず「再ログイン」をタップするよう案内しています。「削除してLINEを入れ直して」と指示されても,従わないでください。
- 不審なメッセージには返信せず,リンクも開かない
- 家族や友人に,「LINEで送金を頼むことはない。頼まれたら電話で確認して」と,先に伝えておく
- 被害に気づいたら,LINEのヘルプセンターで,乗っ取り時の手順を確認する
今日のチェックリスト
- □ 「他の端末と連携」で,身に覚えのない端末がないか確認した
- □ Face IDなどの本人確認を連携した
- □ PC・iPadで使わないなら,「ログイン許可」をオフにした
- □ LINEのパスワードを,ほかと共通にしていない
- □ 「認証番号を教えて」は,友だちから来ても詐欺だと家族と共有した
まとめ:「頼まれごと」を,いったん疑う
- 投票を装った偽のLINEログイン画面から乗っ取られ,PayPay送金を求められる被害が報告されている
- 入り口は,知り合いからの頼みごとに見える。認証番号とログインは,友だちから来ても渡さない
- 今日は,ログイン中の端末の確認・ログイン許可・Face IDの3つから
- すべて一度にする必要はありません。できるところから始めましょう
※手順や画面の名称は変わることがあります。最新の内容は,LINE公式のヘルプでご確認ください。公開資料からは,個別の被害の件数や金額までは確認できません。個別の事件の内容は,公式発表や報道でご確認ください。
参考・出典
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監修:岡村 裕彦(歯科医師・岡山大学 教授)
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